Like a monotone.

Only those who do nothing at all wake no mistake but that would be a mistake.

お気に入りの小説家の写経をやってみたくなった話。

遠くから愛すべきやまもといちろう氏が、「切り込み隊長」から「やまもといちろう」になったルーツを語った文章読本をまとめた@narumiさんのブログを読んで、小説を何度も写経したというところにもの凄く心惹かれたのでメモる。

「切込隊長が、やまもといちろうになるまで」--ウェブ時代の文章読本より

人に読まれる文章というと、わたしは学生時代の論文より後に書いた記憶がない。
すごく大きい範囲では、自分の考えをまとめて読み手に伝えるという点では同じ作業をしています。(していたつもり、とも言う。)

わたしも論文を書いては「これは君が理解している内容だから分かるのであって、初見では理解できない。これでは論文として評価されない。」とよく差し戻されたものでした。データの収集方法とか分析方法が間違っているわけではなくて、そこ!?という思いが論文提出の締め切りが近づいてくるほどに強まったのはとってもいい想い出です。

教授、真摯に向き合ってくださってありがとうございました。(笑)

論文でもそれなりに骨を折ったわたしながら、やまもといちろう氏のそれとは絶対的に違っていてこうもゼロになってしまいます。
論文のほうがマシと言ってもいい。(いや、言い過ぎ。あれはあれで辛い。)
とまぁ、そんなうまいこと書けないよ、と思いつつ隊長のブログを読んでいたけれど、それが「写経」によって骨組みが作られているという事実を知って、もの凄く心惹かれたのです。

佐々木:この時は推敲は? 

やまもと:していないです。それも変わらないです。書くということのスタイルはこの時点で。もっと前にパソコン通信をやっていたんですね。その時もある程度長文を書いたりというのに慣れていたのと、当時から結構本の虫だったので、筒井康隆とかの写経をずっとやっていたんです。 

佐々木:好きな小説を選んで? 

やまもと:選んで、頭から全部、何遍も書くというのをやってました。どんな作品かは言いませんけど、そういう文体とかリズムとかいうのを自分に叩き込もうというのはかなり当時から、中学高校からやってたという。 

竹内:それすごい効くらしいんですよ。いろんな書き手の方が仰ってました。 

いちる:僕もやりますよ、写経。 

やまもと:何ていうのかな。ネタ帳を作るということを当時考えたのは、自分がいかに表現力がないかというのを痛感したからだったんですよ。それで、今でもたとえば、ウェブ徘徊したりとか、本を読んだ時に、おもしろい表現があった時に必ずそれを書き残す癖をつけていて、“あいうえお”順でリファレンスつくったりとか、最近だと英文もリファレンスつくったりとかするんですけど、対照表をつくってこういう時にはこれを言おうみたいなものをやっているんですね。

なにそれ、やってみたい!

それで少しでもわたしの中の眠り続けていた文才の芽がでたら、万々歳ですよ。
さっそく、と思ったけれど、わたしが好きで写経したいほどの小説って何だろう。
わたしは比較的シンプルな文章が好きなので、村上春樹氏のような素晴らしい比喩とかに萌えたりはあまりしないのです。さらに、わたしはストーリー重視でしか小説を読んでこなかったので、文章表現が好き、という観点で小説が思い浮かびません。

ひとまず、写経する小説を探します。これは新しい発見がありそうでワクワクしています。